25.これまでの振り返りと今後の予定~ちょっと一服
最近のブログは、私が呼ぶところの「キャッシュ利益計算シート」・計算式の説明が長々と続いているために少々うんざりしている方もいらっしゃるかも知れません。
そこで今回は、ちょっと一服して、何のために、このようなややこしい計算式を説明しているのか、そしてこのブログが目指す全体像について改めて説明させてもらおうと思います。
まずこのブログが目指している最終目標は、読者の方に
「決算書をキャッシュ利益で読めるようになってもらい、その内容によって、決算書の“あるじ”たる取引先企業の健康状態を判断できるようになってもらうこと」です。
そのためのステップとして、
- 皆さんにとって恐らく聞きなれない用語である「キャッシュ利益」とは何かを理解してもらうこと。
ブログ1. 貸付係のあなたへ、はじめまして~ブログ2.「キャッシュ利益」って何のこと? - その前提として、「決算書」のもつ素晴らしい機能を理解してもらうために、その背景となる歴史を知ってもらうこと。
ブログ決算書の生い立ちについて・その1~ブログ4. 3.決算書の生い立ちについて・その2 - 「キャッシュ利益」と同義の金融用語である「資金繰」、「キャッシュフロー」などの概念の説明とその開示ツールとして一般化している「キャッシュフロー計算書」が使えないことを理解してもらうこと。
ブログ「資金繰の話」との出会い~ブログ6. 重要なのは「単体」です。「連結」はほとんど役に立ちません。 - 「決算書」の仕組みの素晴らしさを実感してもらうこと、またその内容に疑問を感じたときに検証できるようになるために、「決算書」の背景にある「仕訳」のシステムを理解してもらうこと。
「複式簿記」は人類最高の発明の一つだ~12.「暗黙知」頼りの日本の金融界 - 現在の会計界での主流概念であるキャッシュ・フロー計算書・営業活動によるキャッシュ・フローに対する「キャッシュ利益」の優位性を理解してもらうこと。
「キャッシュ利益」の有用性~14.「キャッシュ・フロー計算書・営業活動によるキャッシュ・フロー」算出式の問題点 - 実務の場で「キャッシュ利益計算シート」を活用してもらうために、貸借対照表と損益計算書の二表から、「キャッシュ利益計算シート」を算出する仕組みを理解してもらうこと。
「経常キャッシュ利益」の算出ロジック①売上債権増加~24.当期最終キャッシュ利益の使い途の特定
だいたいここまでが、現在までのブログの大まかな内容です。
お気づきのように最近のテーマである⑥の「キャッシュ利益計算シート」算出式の説明にすでに10回分のブログを費やしていて、とても大きなウエイトになってしまっています。
これは、決算書のすべての勘定科目が必ず左右がバランスする「仕訳」の集大成である結果として、そのすべてを取り込んで作成される「キャッシュ利益計算シート」も必ず出入りがバランスすること、つまりすべてのキャッシュインとキャッシュアウトの合計額が等しくなることを理解して頂きたいからなのです。
そうすれば、不正あるいは危険な決算書に気づいたときに、その原因勘定を把握することができ、次の実態掌握がやりやすくなると思われるからなのです。
よって「キャッシュ利益計算シート」算出式の説明がこの後もいま少し続くことになりますが、お付き合い下さるようにお願いします。
その後は、どのような内容になっていくのかですが、「キャッシュ利益計算シート」の仕組みが解ると、従来の貸出業務の世界で常識のように考えられてきたことにいくつかの誤りがあることに気づきます。
そこで、これらの問題を取り上げて、新しい考え方を提案します。
決算書、とりわけキャッシュ利益から会社の健康状態を判断できるようになるためには、「キャッシュ利益計算シート」のどこをどのように評価すればいいのかを説明します。
実在上場企業の有価証券報告書から、「キャッシュ利益計算シート」を作成し、具体的にどのような姿が見えてくるのかをいくつかの実例で示します。
さらに、これらのブログの合間合間を借りて自分が経験してきた貸付係人生でのいくつかの教訓をご紹介したいと思っています。
以上が、これまでの振り返りと今後の予定のあらましです。
今回は短いですが、以上です。